みんな知っているダウ理論
ダウ理論は
相場で生きている人の
ほぼ全員が知っている理論であり、
トレードの基盤ともされています。
なので人によっては
『ダウ理論だけで勝てる!』
など、ダウ理論を
トレードの主軸に置く方も沢山います。
ですが、皆さんも薄々お気づきだと思いますが

と、これだけでは
誤解をされてしまうので、
なぜ使えないと言えるのか、
順を追って詳しく解説していきます。
まずは基礎からです。
ダウ理論の基礎
まずダウ理論は6つの法則から成り立ちます。
この「ダウ理論6つの法則」は
テクニカルの基盤となる理論ですので、
必ず覚えてください。
と言っても、
今回はすべてを解説すると
長くなってしまうので、
皆さんが主にテクニカルで使うであろう

に。ついて話していきます。
使えないと言った部分が
このダウ理論⑥ですね。
このダウ理論⑥は
トレンドを判断する方法として
かなり有名な理論です。
皆さん知っていると思いますが、
これも軽く説明していきますね。
大前提にダウ理論では、
上昇トレンドは
『高値と安値がそれぞれ切り上がり』
下降トレンドは
『高値と安値がそれぞれ切り下がる』
と、定義されます。

これがトレンド継続のサインです。
そしてこのトレンドは
『明確な転換シグナル』が発生しない限り
続くとされます。

では、その『明確な転換シグナル』とはなんでしょうか?
そのシグナルとされているのが
上昇トレンドにおける安値切り下がり
下降トレンドにおける高値切り上がり
に、なります。


つまり押し安値、
戻り高値を超えた場合を
『明確な転換シグナル』
と、するわけですね。
細かい所では間違っているかもしれませんが、
大まかにはこのような感じです。
ではこの理論、実際使えるか、
使えないかで言うと
実は『使える理論』だと思っています。



はい。さっきと言っていることが違いますよね。笑
早くも矛盾していますが、私自身
ダウ理論を使って勝ってきたトレーダー
でもありますし、
『大衆が認識している=相場で通用する』
と、思っているので
ほぼすべての人が知っている理論が
使えないわけがありません。
ではなぜ、先ほど使えないと言ったのかですよね。
それは


だからです。
そもそもダウ理論は
エントリーで使うものではありませんし、
シンプルが故にかなり難しい理論です。
なので
私が使えないというよりは
皆さんが使えていないだろうな
と思っている事になります。
実際にDMでいくつかご質問は頂いていました。
ではなぜ、
初心者さんにはダウ理論が難しいと言えるのか、
ここからは詳しく解説していこうと思います。
ダウ理論が難しい理由①
そもそも
勘違いしている方もいらっしゃると思いますが、
『明確な転換シグナル』が
発生したからと言って
相場が転換するとは限りません。


これはつまり、逆を言えば、
明確な転換シグナルが発生した場合は
トレンドが継続できなくなるという事に
なります。
『トレンドが継続できない=転換』
と捉えられがちですが、
そうとは限りません。
トレンドは1つだけではありませんから。
*ここからは
ダウ理論⑥が転換シグナルで否定された事を
『ダウ否定』と統一していきます。
先ほどダウ理論の6つの法則を
お伝えしました。
その中に1つ面白いことが書いてあります。
それが
です。
つまり第1のトレンドが
主要トレンドである場合、
終了しても第2、第3のトレンドが
発生する可能性があります。


上画像の様に
トレンドが終了したからと言って
そのまま転換するとは限りません。
実際の相場を見ても、
ダウ否定されたからと言って
トレンドが転換してない場合も多いです。


転換している場合も、もちろんあります。
なので
ダウ否定に合わせてエントリーしても
トレンドが間違っていれば利益になりません。
上昇ダウ否定
⇒ 上昇トレンド終了
⇒ ① or ② or ③
①第2の上昇トレンド開始
②下落トレンド開始
③レンジ相場突入
この3つのどれかになります。
つまり使えない理由①として
そもそもダウ否定は
トレンドが転換するサインではない
という事です。
トレンドが切り替わる瞬間を
表しているに過ぎません。
ダウ理論が難しい理由②
そして2つ目の理由が、
見る人によって高値安値が違う点です。


皆さん
上画像を見て次の質問に答えてください。
Q. 青矢印の安値から見た場合、戻り高値はどの色のラインになるでしょうか?(ピンク、紫、水色、緑)
正解は『すべて』です。
なぜなら
見る人によって
戻り高値の捉え方も違うからです。
ピンクラインで値動きを見ている人、
青ラインで値動きを見ている人など
様々な視点があります。


逆に、水色矢印もっと拡大して見てみますと、


選択肢に無かった
オレンジラインが戻り高値と言え、
すでに超えてるとも言えますよね。
つまり短期で見る人(5分足など)
中期で見る人(1時間足など)
長期で見る人(日足など)
に、よって戻り高値は変わる
という事です。
もちろん同一足でも変わります。
結果、戻り高値としての意識が
分散させられてしまうという事になります。


このような場合で
ピンクラインを超え、
『ダウ理論的に転換だ!』
と、考えても紫ラインで見ている人は
まだ転換していないと考えているので


意外と決済やポジションが入らず
トレンド継続のようになります。
つまり


なわけです。(ここが1番重要です)
なので、
転換シグナルは沢山出ますが
騙しも沢山出ます。
その結果、わかりにくい場所も
強引に判断して多くの人は
失敗してしまうのです。
実はこれとよく似た現象が起こる
テクニカルがあります。
それがラインです。
ライン理論1でも話していますが、
『多くの人が意識しているから』こそ
ラインは反発します。
反発回数が少なかったり、
1分足のラインであれば
意識は集中していないので
ラインとしての効力が弱いと言えますよね。
つまり、


ダウ理論は
『ほぼすべての人が知っているアドバンテージ』
がありますが、
実際には足並みが揃わないので
意外と使えない理論と言えるわけです。
≪ダウ理論が使えない理由まとめ≫
なので
ダウ理論単体で語ると
正直使えないと言えます。
では、なぜ先ほど『使える理論』と
話したのかには理由があります。
先ほどお伝えしたように
ダウ否定は


と、言える節目が曖昧なわけです。
逆を言えば
何か大衆が意識するような要因があれば
使えることになります。
『ダウ否定が発生したら転換』と考えるのではなく『どのような環境でダウ否定が発生したら転換するのか』を考えてあげると良いのです。
つまり、元々
大衆の認知があるアドバンテージを
持っているダウ理論が
相場で使える形になれば
かなり強力な武器になるということです。
それが
『rumaの手法&トレード解説』に
書いてある手法なわけですが、
ここで書くわけにはいかないので
今回はその基盤になる考え方をご紹介します。
ダウ否定の考え方
ダウ否定は基本的に
『目線の切り替え』として使うのが
本来の正しい使い方です。


このように
トレンド継続のサインが出れば、
そのサイン通りのトレンド目線で取引をし、


このように
否定されるのであれば、逆張り、
又は次の大きなトレンドの為の準備期間
と、するのが正しい使い方ですね。
※上昇トレンド中に
ダウが否定されるのであれば、
その後の再上昇に向けて準備する
といった感じです。
ですが、先ほどお伝えしたように
認識が人によって曖昧な為、
ある工夫が必要です。
と、その説明をする前に
利確についてお話します。
稀にですが、
ダウ否定は目線だけではなく、
利確として使用を推奨されることがありますが
正直おすすめはしません。
理由は2つあります。


例えば、このピンク四角では
わかりやすくダウ否定をしていますが、
2つの黄色四角は
リアル相場で見るとダウ否定と言って良いのか
意外とわかりにくい相場です。
先ほども言ったように
わかりにくいダウ否定は根拠として弱いです。
なので
ダウ否定を基準に利確をしてしまうと
全然上手くいかないので
何が正しいのかわからなくなります。
それでも
「ダウ否定で利確したい!」
と言う人が居るのであれば、
ダウ否定よりも
ラインの方が圧倒的におすすめ
です。
例えばですが、


水色ラインを超えた場所
(ダウ理論⑥のトレンド継続サイン)
で、エントリーしたとします。
その場合、
明確なダウ否定は黄線かピンク線に
なりますよね。


すると
上画像のような値幅を取ることが出来ます。
ですが


ラインを使ったチャネルで利確した方が
ダウ否定で利確するよりも
保有時間が短縮され、
更に値幅も綺麗に取れています。
※水色矢印からならどこで利確しても良い
という意味で3つあります。
なので
『理由①ダウ特有のわかりにくさ』
『理由②否定されるまでの遅さ』
から、利確には向かないと考えます。
これとほぼ同じ理由で
損切でも使用はおすすめしません。
あまり損切で使うというのは
聞かないですけどね。
結果、ダウ否定は『利確、損切』や
『エントリーサイン』として使うものでは
ありません。


というのが結論です。
ただ先ほどお伝えしたように
『ここを超えたらトレンドが変わる』
と、大衆が思える根拠や意識が必要になります。
なのでここからは
ダウ否定が目線として
わかりやすくなる場所はどんな場所か
3つお伝え致します。
押し安値、戻り高値がわかりやすい場所
ライン理論でも書いている通り、
すべてのテクニカルは時間足に依存します。
つまり長期になればなるほど意識され、
短期になればなるほど意識されにくくなります。
何故なら長期足の方が見てる人が多く


ですね。
更に言うと
トレンドが大雑把になるという利点もあります。※語彙力が無くてこのような言い方になって申し訳ないです笑
例えば、ドル円の1時間足では


このようなトレンドになっていますが、
これを月足で見ると


トレンドが
ほぼ押し目無しに動いているように見えます。
つまり、月足がトレンドを
大雑把にしてくれることにより、
ある程度押し目の認識が
統一されやすくなります。
例えば月足で確認できる押し目
は下位足の週足、日足でも
確認できますから。
この2つの理由から
長期足になればなるほど
ダウ否定としての意識が集まりやすくなる
と言えます。


先ほどの様に
何も目印が無ければ
どこを押し安値として見て良いのか
わかりません。
ですが三尊、逆三尊が出れば
話は変わります。


普段のダウ否定と違い
ここでは2つの意識が生まれます。
1つ目が『逆三尊』です。
これは言うまでもなく
転換パターンのお手本ですので
綺麗な三尊であれば意識が集中し、
大衆の三尊⇒転換という安易想像で
ポジションが増えます。
2つ目が『ダウ否定』です。
ピンクラインを超える事によって
戻り高値を超えるので
トレンドが終了します。
三尊も発生していると考えると、
更にこのネックラインに意識が
集中しますよね。
つまり
この逆三尊には2つの意識が集まる事により
ダウ否定だけの根拠よりは
大衆に意識されると言えるわけです。
ですが
これは結局ただの逆三尊でしかなく、
これだけで転換するとは言えません。
ここで言いたい事としましては、
チャートパターンなど複合して見た場合、
戻り高値が大衆として一致していれば
効力は増してくという事です。
これはライン理論1、2を読んだ方が
わかりやすいかもしれませんね。
急騰、急落前の価格帯は
基本的に意識されやすい場所である
と、言えます。
例えばですが


このチャートでは
トランプラリーでの急騰前の価格帯が意識され
コロナショックの急落が止まっています。
これは何故かと言いますと
インパクトのあった価格帯であるから
大衆が意識している
事もそうですが、


でもあります。


先ほども見ていただいた黄四角は
押し安値がかなりわかりにくいので
ダウ否定の判断も難しいとお伝えしました。
ですが、急騰急落であれば話は別です


極端に言えば
この水色ライン以外に押し安値が無い状態
なわけです。
誰もがこの場所を
押し安値と認識することが出来ます。


実際の相場で見るとこんな感じです。
これだけ幅があると同一足限定でありますが
ここが押し安値として大衆も見ますよね。
この理由もあり
「急騰急落の飛び乗りは期待値が低い」
では、急落前の価格帯を超えたら
損切するとお伝えしていたわけです。


このように
ダウ否定がわかりやすければ、
大衆の思惑も一致し
その後の上昇していく可能性も高くなり、
抵抗帯としても強くなる
ということになります。
つまりダウ理論もテクニカルである以上
『多くの人が意識しているから』は大切ですね。
≪ダウ理論が意外と使えない理由まとめ≫
つまりダウ理論はトレードの基盤ですが、それ以上に


これで今回の記事を終わります。
参考になりましたら、
ぜひ他のページも読んでいただけたらと
思います。
では、皆さんが相場で生き残ることを
切に願っています。


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コメント
コメント一覧 (1件)
ダウ理論は私のトレードのベースで、想定と違う動きとなることが多かったのですが、この記事を読ませて頂いて理由が良く分かりました。この記事で学ばせて頂いた『使えるダウ理論』を意識することにより、今までの間違った認識を改善し、無駄トレードを減らせそうです。