《4-1 》 難しい問題
『感情』はトレードで一番必要の無いものであり、多くの人が試行錯誤しても突破できない大きな壁でもあります。
そして何よりこの問題の厄介な点は、私がアドバイスしたから治るものではない事です。
だからこそ難しい問題と言えますよね。
ただ、対策として考えられることは2つあります。
理屈を知ることは先ほども少し話しましたが、ここからもう少し詳しく話していきます。
この2つだけで『感情的にならなくなる!』とは言えませんが、少しずつ変わるとは思いますので是非お読みください。
《4-2》 ①理屈を知る。
理屈を知るとはつまり何故やるのか、やってはいけないのかを知るということです。
例えば【第一章:急騰急落の飛び乗りは期待値が低い】でお伝えしたような『急落の飛び乗り』は詳しく知っていれば期待値の低い行動だと理解できます。
ですが、『急落に飛び乗ってはダメだよ』の言葉だけではいざという時に、自分は大丈夫だ、今回だけは大丈夫だと考え、飛び乗ってしまいます。
これを確証バイアスと言います。
確証バイアスとは:自分がすでに持っている先入観や仮説を肯定するため、自分にとって都合のよい情報ばかりを集める傾向性のこと。
つまり理屈を知らなければ、人はいざとなると間違いを起こしてしまいます。
プロが飛び乗らないのは基本的に理に合わない行動だと理解しているからです。
なので私たちが使っているテクニカルの中身を把握することが非常に大切です。
例えばラインをただの線と認識するのではなく、大衆心理など『大衆の視点があるからこそ優位性も増す』という中身をしっかり知れば更にラインを信用することができます。
構造をしっかり理解できれば『根拠の弱いラインでエントリーする』などの無駄な行為が減り、自信のある場所でのみエントリーすることができます。
結果、保有力も強くなります。
つまり『理解と自信=保有力』になるわけです。
自分の考えている根拠に自信がない人ほど無駄なトレード、決済をしてしまいますからね。(急騰急落の飛び乗りもその1つです)
つまり検証などで『何故やってはいけないのか』を言語化をしていくと行動に理を持つようになります。
例①何故飛び乗らないか ⇒ リスクの方が高いから。
例②何故チャートをシンプルにするのか ⇒ 情報オーバーロードを回避する為。
このように理屈を元に行動する習慣をつけることで感情の入る余地を少なくしていきます。
曖昧な知っているではなく、明確な理解はトレードメンタルの基盤になりますし、一貫性にも繋がりますので是非中身(本質)まで学ぶ意識を持ってください。
《4-3》 ②感情をルールで縛る事。
これは例えば『エントリー後TPSLを決めて出来る限り相場を見ない。』などですね。
TPとは:テイクプロフィットの略(簡単に言うと利確場所)
SLとは:ストップロスの略(簡単に言うと損切場所)
基本的に感情的になりやすいのは『ポジション保有中』が多いです。
人間は『お金』と『命』が絡むと合理的な判断ができなくなると言われています。
そのお金が明確に賭けられていると感じる時間はポジション保有中なのです。そして私たちは普通に生きていれば目の前で損益が上下するなんて状況はありません。
つまり慣れていないわけですね。
それを含め
保有中は人が合理的な判断が一番出来ない時と言えます。
この理屈を理解しているからこそ私はエントリー前に決めていたTPSLを大切にしているわけです。
ポジション保有中の考えは自分の都合の良い解釈をしてしまいがちなので、私自身5割減の信用度で分析しています。(あくまで5割減はイメージです。)
つまり早期利確をしてしまう人は、合理的な判断が出来ない時に沢山考えているからなのです。
なので『エントリー後TPSLを決めて出来る限り相場を見ない。』事が無駄な思考を増やさない為にも必要だと思います。
他にもトレードには感情的になる状況として、負けトレードの後があります。負けた後というのは『負けを取り返したい』『負けを認めたくない』などの自分の感情からドテンやナンピンなどあまり良くない行動をとりやすいと言えます。
その様な感情からくる行動を縛る方法として
if-then プランニング
というものがあります。
これは目標達成の為の手段なのですが、トレードでも応用することができます。
次はそのif-then プランニングについて解説していきます。
《4-4》 if-then プランニングについて
if-then プランニングとは
というものです。
これをわかりやすくトレーダーがよく使う方法で置き換えるのであれば
などなどです。
このように行動後の行動を先に決めておく方法になります。これは人間の脳の仕組みに起因しておりまして、人間の脳は『AならばBを実行する』という指示に反応しやすくなっています。
そのため、Aが起きるタイミングで自然とBに意識が向くようになり、トレードで言えば感情的になってもBを見落とすリスクを大幅に減らすことができます。
更に、脳は無駄なエネルギー消費は回避し、節約しようとする性質があります。
つまり繰り返し行われる行動はパターン化し ⇒ 無意識に行うようになり ⇒ 最終的には習慣化されていくという流れになります。
最終的には習慣にすることが私たちの目標です。習慣に感情を挟む余地は少ないですからね。
このように感情から来る異常を感じた場合の行動を予め設定することによりその後の『危ない行動』を防ぐことができます。
私が主にやっていた例としては、
「A」3回負けたら ⇒ 「B」チャートを閉じて歩くですね。
一見変な行動にも見えますが、まず椅子から立つことでチャートから離れる事ができます。そして私は歩く方が脳が働く(というより皆さんも?)ので、できれば外に出て一旦反省します。
これにより感情的になって決済直後に根拠の薄いエントリーをしなくて済みます。
もし感情的になりやすい状況を見つけたならば、その場面に行動を紐づけましょう。トレードと同じように『自分に課すルール』ですね。
これは感情的になった時以外でももちろん使う事ができます。
例えば
このように行動と行動を紐づける事が習慣の鍵にもなります。ちなみにこれによって実行できる確率は3倍に上がるそうです。
なので是非if-thenで感情を乗り切り、習慣化させてください。
≪感情的にならない思考法まとめ≫
感情的になりにくくなる思考法は2つあり
①理屈を知る事
⇒曖昧な知っているではなく、理屈を理解をすることで突発的なエントリーを減らす。
②感情をルールで縛る事
⇒エントリー前にTPSLを決めておくことで保有中に感情が入る余地を無くせる。トレード後は『if-then プランニング』で感情を縛り、無駄な行動を減らす。
全章と合わせて『エントリー』『保有中』『決済後』3つの感情的になりやすいタイミングで感情的になりにくくなる方法をご紹介しました。
これで感情的にならなくなるとは言えませんが、ご紹介した2つの事を継続していくことで少しずつ変化していくと思います。
引用:ヒカルの碁
感情のコントロールは修得できる技術です。それを忘れずにトレードして頂ければと思います。
次は若干テクニカルのお話です。最後の章ですので良ければお読みください。
では、皆さんが相場で生き残ることを切に願っています。
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